SIerはオワコンという主旨で業界まるごと叩かれている記事をよく目にします。
「SIer」とググるとこんな記事が二番目に出てくるくらいです。
新卒でSIerの内定をもらった。大手だし一安心と思っていたけど、
この業界について調べてみたら不安になってきた。
他の業界を探すべきかな?
新社会人としてSIerで勤務しているが、今後のキャリアパスについて知りたい。
こんな方向けに「新卒で大手SIerに入るべきか、また入ったら何をすべきか」について、書こうと思います。
この記事の大筋は、以下の通り。
特にやりたいコトが明確でない場合、大手SIerはお勧めです。入りやすい上、社会人の基礎を丁寧に教えてもらえ、3年経つ頃にはそこそこ転職市場で評価される経験が詰めます。
これは文系でも理系でも当てはまります。それでは書いていきます。
SIerオワコン説は一旦気にしない
いくつか記事を読みましたが、主に以下がオワコンと言われる理由のようです。
- 使える技術が古い(実績のある技術を好む)
- 考え方や働き方が古い(年功序列・前例踏襲・安定志向)
- 多重下請け構造である(業界存続自体が難しい)
- 大規模システム開発の需要は今後なくなる
SIerで働いていた私から見ても、上記は(会社ごとに程度の差はあれど)事実です。
ポイントは、特にやりたいことが定まっていない状態の人にとって、上記事実はSIerに入社するか否かの判断にさほど影響はないということです。
一生SIerで働くぞって心に決めてる人は気にしたほうがいいですが。
気にすべきことは、入社後仕事がフィットしなかった時、経験年数相応の収入を伴う他の選択肢があるのかということです。
大手SIerが新卒にお勧めな理由
一言でいうと、コスパの良い社会人養成学校としての側面があるからです。
もう少し噛み砕くと
- 間口が広い(入りやすい)
- 教育が手厚い
- 3年程働くと転職先が結構ある
ということです。
間口が広い
間口が広い理由ですが、単純に人手不足だからです。
実際、私が新卒で入った会社も500人以上の同期がいました。
以下は「ITなび就活」さんのサイトから引用です。
SI業界の就職難易度は、最も易しい星1つとなっています。
https://itnabi.com/shukatsu/magazine/archives/1417
SI業界は深刻な人材不足に陥っているため、文系や未経験者でも比較的入りやすい状態です。人材不足の要因の一つとして、中小企業が多く実態が見えにくいことが挙げられます。IT業界の中でも圧倒的に「需要」や「社会への貢献度」は高い業界であるため、認知度が高まればたちまち人気業界となるでしょう。
教育が手厚い
大手は研修が手厚いです。何故なら、それぞれグループ会社に研修を専門とする会社を擁していることが多いからです。例えば、日立グループであれば「日立アカデミー」、NTTグループであれば「NTTラーニングシステムズ」富士通グループであれば「富士通ラーニングメディア」といった具合です。
こうした研修体制のもと、新人は「名刺交換の仕方」や「メールの作成方法」のような、本当の基礎から、プログラミングやICT基礎(基本情報技術者試験〜応用情報技術者試験レベル)まで教えてくれます。演習系の研修だと、簡単なショッピングサイトを作ったりします。
また、配属後も定期的に自ら受けたい講座に申し込んで研修を受けることができます。例えばAWSを使うプロジェクトにアサインされると、AWSについて研修を受けたりすることができます。IT技術だけではなく、海外赴任社向けの英語研修や、プロマネ志望者を対象にした研修など豊富に揃っています。
3年程働くと転職先が結構ある
「3年目のタイミングで、高く(自分を)売れるよ」
これは、私が入社一年目に転職エージェントに言われたことです。
主な選択肢としては、メガベンチャーや外資IT企業、コンサルティングファームあとはフリーランスですかね。私の肌感ですが、有名所だと、楽天、SAP、Salesforce、あとはアクセンチュアをよく耳にします。あとは完全に別業界の情報システム部門に入るというパターンもあります。
実際、LinkedInや転職サイトに登録すると、こうした企業側から面談の依頼がやってきます。
ある程度社会人をやってから、もう一度会社を選び直せるのは良いところですね。
同期が多いことと、その同期が大量に転職していくこともあり、こうした情報が結構回ってくるので、いざ動く時にもスムーズに転職できるかと思います。
入社してから3年間で経験すべきこと
とはいえ、入社後ぼーっとしててはいけません。以下3点を意識して過ごしてみてください。
- 要件定義フェーズを経験する
→重宝されやすい経験 - 業務で使ったベンダー製品に資格がある場合は取得する
→エージェントの目にとまりやすい - 他社と関わるプロジェクトを経験する
→業界構造や様々なキャリアを知れる。業界構造を捉えた上で自分のポジションを客観的に語ることが転職する際に活きる。また、基本的に仕事で関わる会社は転職先の候補です - 転職フォーラムに参加する
→転職する気がなくても参加OK。どういう人材が求められているのか定期的に把握しに行きましょう
今回の記事は以上です。
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